FC2ブログ

噛む犬

ある量販店内のペットショップが閉店する事になり
柴犬が1匹残されている・・、何とかならないか?との
相談が入りました。

近くの方に様子を見に行ってもらいました。
噛む犬だと言う・・・・
しかも、本気で噛むらしい・・。

眼がすわって、唇が震えている。
本気で噛む犬、病的に噛む犬の対処法は、とても
難しい 


仔犬の時に一度売れたのだが、噛むので返されて来た。
世話をしている人にも噛むので、他の誰も手が出せない。
再び売る事など不可能。 
結局、残ってしまい10年以上もそこで暮らした。

あと、数年、その場所でショップが営業していれば
そのまま静かに天へ帰れたはず・・・・。

しかし、突然の閉店。
犬の行き場所は無い・・噛む犬は引き取り手が無いのだ。

噛む犬は保管場所、キチンと管理出来る場所、あるいは
隔離する場所が必要となる。
一般の家庭へ預けるなどと言う事は不可能。
現在、咬傷事故は飼い主(管理者)側の責任が非常に
重く問われる。



実は登録も狂犬病注射も、腫瘍らしき物も出来ているが
病院へ連れて行けないので全く何もやってない。

10年以上もそのまま放置されていた・・
不憫と言うしかない・・。

買われて行った先で、虐待を受けていたのではないかと
世話している方が疑っていた。
人間の手を酷く怖がるそうです。

これは良く聞く話・・
犬が唸ったり噛んだりした時、飼い主は殴る蹴る事で
犬を制御しようとする。
その後は何かにつけて、殴る蹴るの虐待を繰り返す。
犬は唸り、噛み付く事で自分を守ろうとする。
この悪循環は飼い主に知識が無いから起きるのだ。


噛む犬には専門のリハビリトレーナーが必要となる。
そして、その前に、噛む原因を探る為に受診が必要なのだ。

脳に異常があるのか
精神的に異常があるのか
健康状態に異常があり、苦痛を感じて噛むのか
育てる上で、飼育方法、しつけに等に問題があったのか

受診して、肉体的にも健康的に異常が無い事を確認して
原因から排除しなければ、次へ進めない。

健康上、問題が無ければ、精神的に異常はないか、
心の病気ではないか・・。
飼育上の問題点はなかったか・・等、原因と考えられる
事を突き止めなければ矯正は出来ない。


噛む原因には様々な要因が絡まっているのがほとんどで、
これを矯正するには、専門的なプログラムの元で、
専門職に指導を仰ぎながら、直して行く行くしかない。

しかも、この専門職を依頼するとなると費用も高額になり
期間も掛かる。

この高齢柴犬には、スポンサーも無ければ、残された
余命時間も無い。
マムがもう5年若ければ、そして、お金があったなら
思い切って引き取るのだが・・・
残念だ・・・。



かなり前・・
『ペットの雑貨屋さんMOMO』へ勤めていた頃の話。

噛む犬の相談があった。
手に負えないので飼育放棄したい・・。

柴犬と共に来てもらい、犬の状態を見た。

脳や精神的に異常はなく、やや強い性格ではあったが
完全なアルファー症候群だった。
飼い主は、噛む犬は手放したい・・の一点張り。

こうなったのは飼い主の育て方に問題があったと
指摘しても、飼い主は自分に責任は無い、犬の性格が
悪いと言う。

まだ、1才にもならない若犬。
しつけ次第で直ると判断し、当時、しつけの先生をしていた
刑部さんが自宅へ引き取った。

かなり困難を極めたが、日々のリハビリトレーニングで
何とか触れるようになり、明るい未来も感じられた。


が・・・
飼い主から、子供が寂しがるから返して欲しいと言って来た。

当然、断りましたよ。
飼育放棄の書類にも記入し、納得して手放したのだ。


アルファにしたのは、飼い主ですから、再び飼い主の元へ
返したら、噛む事が強化されてしまう。

体の病気に例えれば、治療を開始して、やや改善しかけていた
途中で止めて返したら病状が悪化してしまう・・そんな状況だ。


しかし、当時、しつけを指導してもらっていた男性の先生から
返すよう言われ、刑部さんもマムも唖然とした。

多分、トラブルを恐れての事だったと思うが、その先生の
真意は判らない。

せっかく改善され始めたので、返したくない旨伝えて
反論したが、強い言葉で飼い主に返すよう言われた。

仕方なく飼い主に返した。
注意点を細かくメモして渡した。


2ヶ月後、やっぱり噛む犬とは暮らせない・・と、柴犬の
引き取り要請があった。

余りの身勝手さにこちらも怒り心頭!!!   

しかし、飼い主は、引き取ってもらえないなら保健所へ出す・・
平然とそう言い切った。

言葉もないくらい腹が立ちました。
そして、言葉もないくらい悲しかった。 

指導してくれていた先生にもその話を伝えましたが、返事は
一切なかった。


その晩、刑部さんと話し合いましたよ。

結局、刑部さんが 犬を見放せないので自分が引き取り
今後も矯正を続けて行く・・と決まり自宅へ連れ帰った。


それからの刑部さんが、もの凄かった・・・

噛む犬についての勉強会・しつけ教室など、東京や大阪などで
テリーライアン先生やJАHАの先生方に直接教えを受けたいと
どんなに遠くても柴犬と共に参加した。

軽四で高速道路に乗って出かける。
しかも前日の夕方から出掛け、車中泊。
当日のスケジュールを終えて、車中泊、翌日帰宅。
計3日掛かりで勉強会に出掛けていた。



本当は努力が実って成果が出た!!~と書きたい所だが
実は直らなかった。

飼い主から再び戻されて来たら、状態が前より悪くなっていた。

猛然と噛み付く。本気です。
もう異常としか思えない・・。

残念です。


しかし、刑部さんはそれでも見放さなかった。
それが、今、刑部さんのお宅に残っている最後のワンコ 
ランちゃん

マムも一度も触った事が有りません・・と言うか、
側へ寄ろうとすると、それ以上、寄って来ないで下さいと
止められる。


噛む犬は難しい・・
本当に難しい・・


役所も噛む犬だけは、譲渡しません。
ボランテイにでも引き取りは許可しません。

皮膚病があっても、疾病があっても引き取りは可能だが
『噛む犬だけは出しません』と断言されている。

噛む犬だけは、難しいのが現実です・・・・・・・。


    写真は  マム宅の保護犬 柴犬タロー
moblog_acbdf374.jpg

噛む事が ぐんと減って来ました。 

検索フォーム

プロフィール

はちかねこ2

Author:はちかねこ2
静岡県浜松市を中心に、
心や体に傷を受けた犬達の
ケアを行いながら、新しい
家族を捜す、などの活動を
しています。

お問い合わせ

下記メールフォームからお問い合わせ下さい。 より迅速に対応させていただくために、携帯メールよりお返事させていただく場合がございます。 希望する犬または猫・お住まいの地域・電話番号・お名前をお知らせいただくとスムーズです。 ※譲渡にはお約束事があります。

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

カテゴリ

FC2カウンター

最新記事

月別アーカイブ

最新トラックバック

最新コメント